「有事のドル買い」や「有事の金買い」主に地政学的リスクや経済危機、戦争などの有事において、投資家がリスクを避けるためにドルや金などの安全資産を買う行動のこと。
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1. 有事のドル買い
- 背景と理由: 米ドルは、世界の基軸通貨として広く受け入れられており、特に不安定な状況では信頼性が高いとされています。国際的な取引や外貨準備の大部分がドルで行われているため、経済的・政治的に不安定な時期には、ドルの価値が上昇しやすくなります。
- 具体例: 例えば、2008年のリーマン・ショックや、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった2020年初期には、ドルへの需要が高まり、他の通貨に対してドルが強くなりました。
- 影響: 有事におけるドル買いは、米ドルの価値を上昇させる要因となります。また、米国債などのドル建て資産も、安全な投資先として注目されます。
2. 有事の金買い
- 背景と理由: 金(ゴールド)は、歴史的に「価値の保存手段」として信頼されています。通貨や株式市場が動揺する際には、金の価値が相対的に安定していると見なされるため、投資家はリスク回避のために金を購入します。
- 具体例: 2022年のロシア・ウクライナ危機や、新型コロナウイルスのパンデミック中にも、金の価格が急上昇しました。戦争やインフレが懸念される局面では、金が資産の逃避先となります。
- 影響: 金は、インフレや金融システムの不安が高まる中で特に注目されます。また、金は現物資産であるため、通貨の価値が減少してもその価値を保つことができる点が支持されています。
まとめ
- 有事のドル買いは、米ドルが基軸通貨であり、信頼性が高いため、不安定な時期に価値が上がりやすい。
- 有事の金買いは、金が歴史的に価値の保存手段とされており、通貨の価値が減少するリスクがあるときに、金を購入することで資産を守ることができる。
どちらも投資家にとってリスクヘッジの手段として有効ですが、状況によって選択される資産が異なる場合があります。